イランの状況が二転三転する状況ですが、マクロの地政学リスクばかり見ていても仕方がないので、週明け3月16日(月)に本決算発表を控えている個人的に注目している会社の決算前の復習をしておこうと思います。
今回は、注文・分譲住宅を手掛けるアールプランナー(2983)です。
前回の決算で調べた記事

マクロ環境では新設住宅着工数が前年割れを続ける厳しい状況ですが、その中で数字を伸ばしている同社の現在地を、決算前にざっくり整理してみました。
1. 財務の健全化は進んでいるか?
不動産・住宅関連の企業を見る上で、どうしても気になるのが借入金と自己資本比率です。
土地を仕入れて抵当に入れ、お金を借りて建てるというビジネスモデル上、有利子負債(約110億円)が膨らむのはある程度仕方ないことではあります。
気になって過去の数字からD/Eレシオ(負債資本倍率)をざっくり計算してみたところ、以下のようになっていました。
- 上場時(2021年): 約3.44倍
- 前回期末(2025年): 約1.99倍
- 第3四半期(今回): 約1.80倍
負債も増えていますが、それ以上に利益を積み上げて自己資本が増加しているため、少しずつですが着実に財務は改善しつつあるように見えます。第3四半期時点で、上場以来初めて自己資本比率が20%に乗った(20.7%)こともあり、会社側も自信を持って「増配(期末50円/通期80円)」を発表できたのかもしれません。
ただ、第2四半期時点では仕入れ増で営業キャッシュフローがマイナスになっていたので、今回の第4四半期でしっかりプラスに転じているか、あるいは強気の仕入れを継続してマイナスを掘っているのかは、決算短信でしっかり確認したいポイントです。
2. 成長のドライバーは「首都圏への進出」
セグメント別の売上を見ると、主力である分譲住宅が前年同期比+14.4%と好調ですが、個人的に一番面白かったのは**「地域別の受注単価」**の違いです。第3四半期の数字を使って「受注高 ÷ 総受注棟数」を勝手に計算してみました。
- 東海エリア: 272億円 ÷ 739棟 = 約3,680万円 / 棟
- 首都圏エリア: 112億円 ÷ 174棟 = 約6,460万円 / 棟
地元の東海エリアは手堅く棟数を稼ぐ基盤になっていますが、単価(収益性)で見ると首都圏エリアがほぼ倍近い数字を叩き出しています。
つまり、この企業の今後の成長ドライバーは「単価の高い首都圏でどれだけ売れるか」にかかっているという見方ができそうです。新たに埼玉エリア所沢に進出、西武池袋線沿線を狙うのでしょうか、ここがどう業績に寄与してくるかが今後の鍵になりそうです。
3. 来期のガイダンスと、決算発表での「疑問点」
現在の第3四半期時点での勢いと、関東圏の中央線沿線から西武池袋線沿線への販路拡大などの展開を考えると、来期のガイダンスは過去の傾向から保守的に見て10%アップの売上530億円、営業利益42億円あたりを提示してくるのではないかと勝手に予想しています。
ただ、住宅メーカーは原価率やマーケティング費用が数パーセント変動するだけで利益が大きくブレるため、会社側がどうコントロールしてくるかは読めない部分もあります。
気になったので、来期(売上高10%増の約533億円、販管費も約8.5%増と仮定)の営業利益がどう着地するか、ざっくりと仮想の表(シミュレーション)を作ってみました。
【来期の勝手な利益シミュレーション】
| 項目 | 25年期 | 26年期粗利率据置 | 26年期粗利率改善1 | 26年期粗利率改善2 | 26年期粗利率改善3 | 27年期粗利率改善1ベース | 27年期粗利率改善2ベース | 27年期粗利率改善3ベース |
| 売上高 | 40,185 | 48,000 | 48,000 | 48,000 | 48,000 | 53,333 | 53,333 | 53,333 |
| 売上原価 | 33,450 | 39,955 | 39,840 | 39,360 | 39,120 | 44,267 | 43,733 | 43,467 |
| 粗利率※ | 83.2% | 83.2% | 83.0% | 82.0% | 81.5% | 83.0% | 82.0% | 81.5% |
| 販管費 | 4,572 | 5,000 | 5,000 | 5,000 | 5,000 | 5,556 | 5,556 | 5,556 |
| 営業利益 | 2,163 | 3,045 | 3,160 | 3,640 | 3,880 | 3,510 | 4,044 | 4,310 |
※販管費増加率(3Q増加率8.6%を8.5%にして計算) (単位は百万円)
※売上原価率は、売上高に対する原価の割合。
このように、原価率が83%台だと利益は伸び悩みますが、首都圏の高単価物件が寄与するなどして原価率が「82%」に改善するだけで、営業利益は一気に40億円台に乗ってくる計算になります。会社側がどのような数字を出してくるか、答え合わせが楽しみです。
月曜日の決算発表では、以下の3つの疑問点に対する答え合わせをしたいと思っています。
- 注文住宅の売上急増(前年同期比+30%)の理由: 建築中だった物件の引き渡しが一気に重なって売上に計上されただけなのか、それとも純粋に受注ベースで好調が続いているのか。
- 分譲住宅の棚卸資産(前年同期比+26.2%): これはそのまま「販売用不動産」と「仕掛販売用不動産」の増加と捉えて良いのか。強気の仕入れの結果なのか。
- 埼玉エリアの寄与: 新規進出したエリアの売上が、具体的にいつ頃から数字として乗ってくる想定なのか。
【免責事項(注意書き)】
※本記事は、一介のサラリーマン投資家である筆者の個人的な決算前の復習メモであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
※個人的な計算や推測が含まれており、来期ガイダンスの予想や表のシミュレーション数値等もあくまで個人の見解に過ぎません。実際の決算数値や市場の反応は全く異なる可能性があります。
※投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。本記事の内容を参考にして被ったいかなる損失についても、筆者は一切の責任を負いかねます。
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