異方性導電膜(ACF)などで世界トップシェアを持つデクセリアルズ(4980)。化学セクターの中でトレンドを見つけるのが得意な企業として、以前から私のチェックリストに入っていました。
去年2025年3月に増配狙いも兼ねてNISA口座で100株だけ購入したのですが、その後は結構長い間、ボックス相場が続いていましたので正直あまり注目はしておりませんでした。
そんな中で迎えた、5月13日の決算発表。さらっと数字を確認した私の第一印象は、「大した数字ではないな……」というものでした。
- 2026年度実績: 売上1,138億円(3.1%増)/ 営業利益394億円(3.4%増)
- 2027年度計画: 売上1,230億円(8.1%増)/ 営業利益400億円(1.6%増)
売上は8%伸びるものの、営業利益はわずか1.6%増とほぼ横ばい。売上が伸びる割に利益率が下がっているように見え、「やっぱりノートPCやスマホ、自動車市場が厳しいから、こんなものか」と、その先の資料を追うのをやめてしまったのです。
1. 2日連続のストップ高、何が起きた?
ところが翌日、画面を見るとデクセリアルズが「ストップ高」になっていました。「え、なんで?」と思いつつも、他にも決算発表が重なっていたためあまり気にせずにいたら、なんとその翌日もストップ高に
さすがに自分の見落としに気づき、慌てて決算説明資料と、同時に発表されていた「中期経営計画のリフレッシュ」を読み直しました。
そこに書かれていたのは、驚くような上方修正の数字でした。
- 売上高: 1,500億円 → 1,640億円
- 事業利益: 500億円 → 630億円
- EPS: 208円 → 263円
もし将来的にEPS 263円にPER 15倍が買われるとすれば、株価は3,945円あたりまで上値の余地があるのだろうか、などとつい皮算用してしまいます。
2. 「フォトニクス(光半導体)」という化け物セクター
修正された計画の中で、圧倒的な存在感を放っていたのが「フォトニクス事業(光半導体関連)」です。
2028年には現在9%にとどまっている売上比率を、一気に「20%」まで引き上げる計画に変更。売上規模にすると、従来の150億円から325億円へと、倍以上に増やすという強気な計画です。
市場が熱狂し、2日連続ストップ高になった理由はここにありました。デクセリアルズが、いま主役である「AI半導体・データセンター」のネットワーク関連企業として、認識されたと思いました。
データセンターで飛び交う膨大なデータを処理する通信部分において、この会社の光半導体向け部品は、これから大きな期待を持てる重要なポジションにいます。
おわりに:今さら気づいた光技術のポテンシャル
最近、フジクラや古河電工といった電線大手の株価が暴騰していますが、デクセリアルズの資料を読んだことで、その理由を今さらながらやっと理解しました。
AIの進化に伴い、データセンターの「電力不足」と「通信の遅延」は世界的な課題になっています。この問題を根本から解決するのが、光で処理を行う「光半導体」の技術で、電気よりも高速で、省エネで、排熱も少ない
もしこれが本格的に普及すれば、電力問題から通信問題、さらには環境問題まで一気に解決してしまうほどのポテンシャルを秘めています。
最初の表面的な数字だけで「横ばいか」と判断してスルーしてしまった自分の未熟さを痛感しつつも、手持ちの100株が運良くこの壮大な未来の波に乗ってくれたことに感謝し、これからの成長をじっくり見守りたいと思います。
【注意事項】
当ブログに掲載している銘柄、相場への見解、および運用成績は、あくまで私個人の記録と思考の整理を目的としたものです。特定の銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。株式投資には元本割れ等のリスクが伴います。最終的な投資判断は、必ずご自身の責任で行っていただきますようお願いいたします。
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